第二回目次
金型へのこだわり
前回ご紹介した製品設計が終了すると、設計された3D形状や、図面が金型製作の工程へと引き継がれます。
金型製作には主に5つの工程があります。
今回はその5つの工程についてこだわりのポイントと共にご説明してまいります。
金型設計では製品を生産するための金型を
設計します。
製品設計のこだわりを活かしつつ、加工し易さや、
安定して生産できる金型構造、
強度を考慮して設計を行います。
工程設計では金型加工の工程や工法を設定し、加工を行う工作機械のNCプログラム作成を行います。
プログラムの内容によって製品表面の仕上がりや歪みの無い平面、滑らかな曲面が表現できるかが決定するので重要な作業となります。
複雑な金型を非常に高精度で仕上げるためには
熟練の人の手による測定や加工が必要です。
工程設計で設計された工程に従い、作業者が直接操作する汎用機械やプログラムによって自動運転を行うNC工作機械を使用して加工を進めます。
加工された金型は最終的に熟練の人の手による磨きと調整が行われひとつの金型としてまとまります。
細かなディテールを磨くために、専用の道具を作成することもあります。
金型が完成すると実際に部品を成型し試作確認を行います。
外観や強度、組立性等の様々な項目に対し検証し、必要があれば、修正や改良を加えます。
TRAIN SUITE 四季島特有の美しいボディ表面が再現できるよう、複雑な窓穴形状に対してプラスチックの樹脂がどのように流れるかを想定したり、金型の分割を考慮し、分割線をいかに目立たなくさせるかに大変苦労しました。
加工し易さを考慮しつつも製品設計のこだわりを活かす為、実物の写真と見比べながら金型設計を行いました。
また、樹脂の流れをコントロールするために微細な寸法設定を行っています。
各車両毎の複雑な形状に対し、また編成全体の統一感にも気を配りNCプログラムを作成しました。
車体裾にあるルーバーの立体感を表現するためには社内で作成する専用工具を用いました。
曲面と角のエッジとのメリハリを表現するために工具の選定にも気を配っています。
小さい部品ゆえに微細工具を駆使して工法の設定を行いました。
「Nゲージ 001形 TRAIN SUITE 四季島 製造リポート」の設計工程をご覧頂きましたがいかがでしたでしょうか?
今後はPPS設計、製品生産工程に沿って皆様へ進捗をお届けして参ります。次回もどうぞお楽しみに。
今後の更新内容の予定です。
· 第三回 加飾·印刷設計
· 第四回 成形工程、塗装工程、印刷工程
· 第五回 パッケージ
TRAIN SUITE 四季島 製造リポート バックナンバー
· 第一回 製品設計
· 第二回 金型設計・工程設計・金型加工(本ページ)
※ 設計データでのイメージ画像です。
仕上げ工程は全てを手作業で行います。
実車の写真と比較しながら表面の処理に変化を付けたり、
表面の手直しを行い滑らかな曲面に仕上げていきます。