top of page
第一回目次


今回は、鉄道模型の設計工程を皆様にご紹介いたします。
鉄道模型の設計と聞いてみなさんはどんな事を想像されるでしょうか。
Nゲージ鉄道模型ですから実車の1/150サイズになりますが、
実車の形状をそのまま小さくしてしまうと外観形状や室内表現が細かく
なりすぎてルーペで見ないと分からないサイズになってしまいます。
設計者は、人が目で見てわかる表現にアレンジを行い、
且つ金型加工が出来る形状を作成していきます。
次ページからは、実際に出来上がった設計データを元に
こだわりポイントをお話ししてまいります。


実車図面や写真などの資料から外観を作図し、それに肉付けする形で3Dソリッド形状を作成していきます。
形状の複雑な部分や印象把握が難しい点については打合せを行い課題を解決していきます。






TRAIN SUITE四季島の顔となる先頭車です。車体中央から先頭にかけて細くなるシルエットの表現に大変苦労しました。
縦に5つ並ぶ特徴的なライト配列を再現。
レンズ形状の決定には試作品を製作し検証を行い形状を設定しています。
車体中央から先頭部にかけて徐々に曲率が変わる特徴的な前面形状を再現しています。
前面、横面、上面からのシースルーを確保し、且つ均一に光るレンズ形状を決定。




TRAIN SUITE四季島では、Nゲージでは通常あまり再現されない室内装飾にもこだわりを持って再現しています。
運転席のみならず運転台のマスターコントローラーやコンソールも表現。
金型構造を考慮して背もたれを横から見た時の空間や階段の手すりも表現しています。




TRAIN SUITE四季島の特徴でもある内燃機関による発電装置も忠実に再現しています。
外からは全く見えないエンジンも表現しています。
有機的で立体的な配管表現や微細なラジエーターのファン形状まで余すことなく再現しています。






編成の中でオーソドックスな車両で客室はスイート。屋根には架線集電するためのパンタグラフと交直流機器が搭載されています。
乱立する碍子と立体的な配線を再現した屋根。交直流切替機は直流側に接続している状態を再現しています。
パンタグラフも新規設定。屋根上の配管も細かく表現しています。






編成の中では最多のスイート客室。室内も細部にこだわって表現しました。
ソファーベッドやテーブルはもちろんトイレや洗面台も表現しています。





編成の中で唯一の乗客用エントランスを備えた車両で、独特な窓と大きなドアが特徴です。
屋根上質感の違いも専用部品を設定して再現しています。

独特な窓形状や大きな客ドアも再現しています。



エントランスをくぐると車内には特徴的な設備が設置されており、室内のアクセントとなっております。